六君子湯は、胃腸機能の改善が期待される漢方の1つです。
六君子湯を飲み始める前に「どんな副作用が起こりうるのか、自分には合うのか」を確認したい方もいるでしょう。
六君子湯の副作用には、下記のような症状があります。
■主な副作用
過敏症、発疹、蕁麻疹、悪心、腹部膨満感、下痢
■重大な副作用
- 偽アルドステロン症(頻度不明)
- 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加など
- ミオパチー(頻度不明)
- 脱力感、四肢痙攣・麻痺などの異常
- 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
- AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸
参考:三和六君子湯エキス細粒
この記事では、六君子湯で起こりやすい一般的な副作用と、頻度は低くても見逃してはいけない重大な副作用を区別して整理します。
六君子湯の副作用で知っておきたい症状と受診目安

六君子湯は比較的副作用が少ない漢方薬とされていますが、発疹・蕁麻疹・腹部膨満感・下痢などの症状が現れることがあります。
多くは軽微なものですが、むくみや脱力感、皮膚や白目の黄ばみなど重大な副作用のサインを見逃さないことが重要です。
よくある副作用は「発疹・蕁麻疹」「悪心・腹部膨満感・下痢」など
六君子湯の医療用エキス製剤(ツムラなど)の添付文書では、比較的みられる副作用として発疹・蕁麻疹のほか、悪心・腹部膨満感・下痢といった胃腸症状が報告されています。
- 過敏症
- 発疹
- 蕁麻疹
- 悪心(吐き気やむかつき)
- 腹部膨満感
- 下痢
もともと胃腸の機能改善を目的に用いる処方のため、胃腸症状が副作用として現れた場合は特に見分けが難しいことがあります。
すぐに服用を中止して相談したい症状
以下の症状が現れた場合は、服用を中止して速やかに医師・薬剤師へ相談してください。
- 偽アルドステロン症(頻度不明)
- 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加など
- ミオパチー(頻度不明)
- 脱力感、四肢痙攣・麻痺などの異常
- 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
- AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸
特に注意が必要な人と服用前に伝えるべきこと

高齢者、妊娠中・授乳中の方、他の漢方薬や医薬品を服用中の患者さんは、服用前に必ず医師または薬剤師に現在の状態と使用中の薬を伝えてください。
甘草(カンゾウ)を含む他の漢方との併用は、六君子湯の副作用リスクを高める場合があるため、特に注意が必要です。
六君子湯で報告されている副作用の種類と見分け方

六君子湯の副作用は、頻度の高いものから稀だが重大なものまで幅があります。
医療用エキス製剤の添付文書をもとに、症状の種類と受診の目安を整理しました。
頻度が低い副作用でも、早期に気づいて対応することで重症化を防ぎやすくなります。
比較的みられる副作用|発疹・蕁麻疹・胃腸症状

六君子湯の医療用製剤で報告されている比較的みられる副作用には、発疹・蕁麻疹のほか、悪心・腹部膨満感・下痢・便秘などの胃腸症状があります。
これらは服用開始後まもなく現れることがあります。
症状が続く場合や、日常生活に支障が出る場合は、自己判断で様子を見続けず医師または薬剤師に相談してください。
重大な副作用① 偽アルドステロン症|むくみ・血圧上昇・体重増加など
偽アルドステロン症は、六君子湯に含まれる甘草の成分(グリチルリチン酸)が体内のミネラルバランスに影響することで起こることがあります。
主な症状は、手足や顔のむくみ、血圧の上昇、体重の増加、血中カリウムの低下などです。
これらの症状に気づいたら、すぐに服用を中止して医師に相談してください。
長期服用や、甘草を含む他の漢方との併用で起こりやすいとされています。
重大な副作用② ミオパチー|脱力感・手足のつり・麻痺に注意

ミオパチー(筋疾患)は、偽アルドステロン症に伴う低カリウム血症が進行した場合などに起こることがあります。
全身の脱力感、手足のつりや筋肉痛、麻痺感などが主なサインです。
日常動作に影響する筋力低下が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
重大な副作用③ 肝機能障害・黄疸|皮膚や白目の黄ばみ、褐色尿など

まれに肝機能障害や黄疸が報告されています。
皮膚や白目の黄ばみ、褐色尿(濃い茶色の尿)、強い倦怠感などが現れた場合は、服用を中止して速やかに医師を受診してください。
自覚症状が出にくい場合もあるため、定期的に肝機能を確認することが望ましいケースもあります。
副作用かどうか迷いやすい症状の判断ポイント
六君子湯は胃腸の機能改善を目的とした処方のため、服用後に現れた胃腸症状が「副作用」なのか「もともとの体調変化」なのか判断しにくい場合があります。
以下を目安にしてください。
- 服用前にはなかった症状が、飲み始めてから新たに現れた
- 1〜2週間以上続いている、または悪化している
- むくみ・脱力・黄ばみなど、胃腸以外の症状を伴っている
上記に当てはまる場合は、服用を中止して医師または薬剤師に相談することをお勧めします。
六君子湯が合わない人・注意が必要な人

六君子湯は幅広い患者さんに用いられる漢方薬ですが、体質や症状によっては合わないことがあります。
また、高齢者や妊娠中・授乳中の方は、服用前に医師または薬剤師への確認が特に重要です。
六君子湯が自分の体質や症状に合っているかを詳しく確認したい方は、六君子湯が合わない人の特徴もあわせてご参照ください。
体質や症状によっては合わないことがある
六君子湯は、胃腸が弱く体力が低下している方に向きやすい処方とされています。
一方、体力が比較的充実している方や、熱感・のぼせが強い方には合わないことがあるとされています。
服用後に症状が改善しない、あるいは悪化していると感じる場合は、処方が体質に合っていない可能性があります。
自己判断で続けず、担当の医師または薬剤師に相談してください。
高齢者が服用するときの注意点
高齢者は一般的に肝臓や腎臓の機能が低下していることがあるため、甘草を含む製剤の影響を受けやすい場合があります。
偽アルドステロン症やミオパチーのリスクは、高齢者で特に注意が必要とされています。
むくみ・脱力感・血圧変化などが現れた場合は早めに医師へ相談してください。
少量から始めるかどうかも含め、服用前に医療機関で確認することが望ましいです。
妊娠中・授乳中・小児が服用するときの考え方
妊娠中・授乳中の方への安全性は十分に確立されていないため、服用の可否は必ず医師に相談してから判断してください。
小児への使用については、年齢・体重に応じた用量調整が必要であり、自己判断での服用は避けることが基本です。
いずれの場合も、漢方薬だからといって安全性を過信せず、医師または薬剤師に現在の状態を正確に伝えることが大切です。
飲み合わせで気をつけたい薬・漢方

六君子湯の医療用エキス製剤には甘草(カンゾウ)が含まれており、同じ成分を含む薬との併用で副作用リスクが高まることがあります。
複数の薬を服用している患者さんは、服用前に必ず医師または薬剤師に使用中の薬をすべて伝えてください。
甘草を含む漢方との併用に注意
六君子湯には甘草が含まれているため、甘草を含む他の漢方薬と併用すると、グリチルリチン酸の摂取量が増加し、偽アルドステロン症のリスクが高まる可能性があります。
甘草を含む代表的な漢方薬には、補中益気湯・半夏瀉心湯・葛根湯などがあります。
甘草を含む漢方3種
| 漢方名 | どんな人向け |
|---|---|
| 補中益気湯 | 疲れやすい・食欲がない・胃腸が弱い・元気が出ない |
| 半夏瀉心湯 | 胃がつかえる・ムカムカする・食欲が落ちる・お腹がゴロゴロする・軟便や下痢気味 |
| 葛根湯 | 風邪のひきはじめ・鼻炎・頭痛・肩こり・筋肉痛 |
複数の漢方薬を同時に服用している場合は、重複していないか医師または薬剤師に確認することをお勧めします。
グリチルリチン酸を含む製剤との併用に注意
グリチルリチン酸は甘草由来の成分で、漢方薬以外にも肝臓の治療薬(グリチルリチン酸製剤)や一部の外用薬・市販薬にも含まれていることがあります。
漢方薬だけでなく、市販の医薬品やサプリメントとの組み合わせでも重複するケースがあるため注意が必要です。
服用中の薬やサプリメントがある場合は、成分名を確認するか薬剤師に相談してください。
六君子湯の正しい飲み方

六君子湯の顆粒・エキス製剤は、食前または食間に服用するのが基本です。
用量や服用回数は製品ごとに異なるため、処方箋や添付文書の指示を必ず確認してください。
食前・食間に飲むのが基本
一般的に、六君子湯は食前(食事の30分前を目安)または食間(食後2時間程度)に服用します。
空腹に近い状態で服用することで、成分が吸収されやすいと考えられています。
食後に飲んでも効果がまったくないわけではありませんが、指定のタイミングで飲むことが、より安定した服用につながります。
服用タイミングについて詳しくは、六君子湯はいつ飲む?食前・食後の違いと飲み忘れ時の対処法もあわせてご参照ください。
飲み忘れたときの対処法
飲み忘れに気づいた場合の基本的な考え方は以下のとおりです。
- 気づいたタイミングが次の服用時間に近い場合は、1回分を飛ばして次のタイミングから再開する
- 2回分をまとめて服用することは避ける
- 迷った場合は、医師または薬剤師に確認する
飲み忘れが続く場合は、服用スケジュールの見直しを担当医に相談することも一つの方法です。
用量は製品ごとに異なるため添付文書の確認が必要
六君子湯の医療用エキス顆粒は、製品(メーカー)によって1回あたりの用量や服用回数が異なります。
自己判断で用量を増減することは避け、処方された量・回数を守って服用してください。
体調の変化や症状の改善が感じられない場合は、用量の調整を含めて医師に相談することをお勧めします。
市販の漢方薬を購入する場合も、パッケージや添付文書に記載された用法・用量を必ず確認してください。
六君子湯の副作用を正しく知って安全に服用するために

六君子湯は胃腸の機能改善に用いられる漢方薬ですが、発疹・胃腸症状といった比較的みられる副作用のほか、偽アルドステロン症・ミオパチー・肝機能障害といった重大な副作用が報告されています。
■主な副作用
過敏症、発疹、蕁麻疹、悪心、腹部膨満感、下痢
■重大な副作用
- 偽アルドステロン症(頻度不明)
- 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加など
- ミオパチー(頻度不明)
- 脱力感、四肢痙攣・麻痺などの異常
- 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
- AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸
気になる症状が現れた場合は自己判断で続けず、医師または薬剤師に相談することが大切です。
甘草の重複による副作用リスクを避けるため、服用中の薬やサプリメントはすべて伝えるようにしてください。
顆粒の用量・服用タイミングは添付文書の指示に従い、高齢者・妊娠中・授乳中の方は特に事前確認が必要です。
正しい知識をもとに、安全に服用を続けてください。
